適応障害と上手に生きていく|安定した心をコントロール

環境の変化で発症する病気

うつ病と症状は似ているが

悩み

適応障害は、ストレスによって社会生活がうまく営めなくなる病気です。適応障害の直接のきっかけで多いのは対人関係のトラブルなどですが、昇進・結婚・転居・進学・就職など、環境や立場がそれ以前とは大きく変化したときに発症しやすい病気です。原因となる出来事からおよそ3ヶ月以内に発症するということが診断のひとつの目安となっています。適応障害の症状は、不眠や頭痛、頭重感、疲労感や抑うつ状態などです。また、仕事に対する注意が散漫になったり、アルコールやギャンブルなどに依存したりすることもあります。つまり、うつ病の症状と非常によく似ています。うつ病と適応障害の違いは、適応障害の患者はストレスのない状態では従来通りに問題なく行動できるということです。このため、適応障害はうつ病とくらべると精神疾患であることが見えにくいという特徴を持っています。世間ではうつ病についてときに冗談めかした物言いをしたりすることもあり、本当の患者でも他人に理解してもらうのはなかなか難しいものです。まして適応障害は、ストレスから離れていられれば症状がほとんどみられない病気のため、周囲の理解を得るのがいちだんと困難な状況にあるといえます。

自分の気持ちに正直に

適応障害になりやすい人として代表的なのは、まじめな人です。仕事や家事などにおいては完全主義であることが多いものです。また、他人に対して気を遣い、頼まれごとをしたら断れないようなタイプの人も同様です。いったん落ち込んでしまうとそれをいつまでも引きずりやすいという特徴もあります。このような人は、他人からみればこちらの考えを気にしてくれて、頼んだ仕事も手抜きなくやってくれるので助かる相手といえます。しかし、できればこのようなタイプの人は、少しずつでも手抜きを覚えたり、人に悪く思われてもかまわないというメンタリティを身につけたりした方が望ましいといえます。というのは、他人の都合や評価を気にしすぎていると、自分の中心というものを見失いがちになるからです。そのようなあり方は、生物としての人間にとっては自然な状態とは言いがたいものです。実際、適応障害の初期にカウンセリングを受けるなどして自分の振るまい方を変えることができると、急激に症状が快方に向かうというケースがみられます。適応障害の患者はストレスのかからないことなら十分にできることから「わがまま」と誤解されることが多いのですが、むしろ今までわがままでいなかったことが病気をもたらしているとも考えられます。心療内科や精神科で心理療法を受けることによって、このような、それまで気づかなかった自分の心性に気づくことができるようになります。