適応障害と上手に生きていく|安定した心をコントロール

原因を取り除けば完治可能

うつ病との違い

病院

適応障害はある特定の状況や出来事が、症状を発症した人にとってとても辛く耐えがたいものに感じられ、そうしたストレスによって情緒面や行動面に障害が生じる精神疾患です。具体的な症状としては情緒面では憂鬱な気分になったり不安感が強くなるために、神経が過敏になったり過剰に物事を心配してしまったり、突然泣き出してしまうなど情緒が不安定になってしまいます。行動面では物を壊してしまったりすぐに喧嘩をしてしまったり、或いはストレスの要因が学校や職場である場合は無断欠席をしてしまったりといった行動をとってしまうケースがあります。このように、適応障害の症状は一見するとうつ病と近いものです。というのも適応障害はうつ病に移行する途中段階という見方もできる精神疾患であるため、症状に類似性が有るのは当然なのです。適応障害とうつ病との違いは適応障害が原因となっているストレスの要因を取り除けば症状が無くなるのに対して、うつ病はストレスの要因を取り除いただけでは症状は改善しないという点にあります。世界的な診断ガイドラインによると、適応障害はその原因となるストレスをもたらす状況や出来事が生じてから1か月以内に発症し、そのストレスを取り除けば、そこから6か月以上症状が持続することは無いと規定されています。逆に言えばストレスを取り除いて6か月以上経っても症状が持続するようだとうつ病と診断されてしまいます。ですので、適応障害の段階で症状を改善できず、更に悪化してしまうとうつ病に移行するとみなすことができるのです。

根本治療と対症療法の併用

適応障害の治療には大きく分けて根本治療と対症療法とがあります。適応障害の原因となるストレスの要因は大きく2つに分けられます。1つは一時的であっても物理的にストレスの要因から患者を隔離することが可能なものです。例えば勤務先での仕事がストレスの要因である場合がこのケースに当てはまり、症状が改善するまで仕事を休むことでストレスの要因から完全に隔離することができます。もう1つが一時的であっても完全な隔離は不可能なものです。例えば身内の不幸がストレスの要因となってしまった場合のように、その現実から逃れることができないケースが当てはまります。前者の場合はストレスの要因から隔離して症状が治まるのを待つことで根本治療が可能です。勿論、根本治療ができたとしても、また適応障害が発症した時と同じだけのストレスがかかれば適応障害が再発するリスクはかなり高くなりますので、症状が治まった後も、例えば職場の仕事がストレスの要因であった場合、仕事の量を減らしてもらったり、部署を異動させてもらうといったストレスの軽減のための配慮が必要となります。後者の場合は認知行動療法と呼ばれる方法を用いたカウンセリングによってストレスフルな状況に適応する力を身につけるという形で根本治療を目指すことになります。一方、適応障害の症状を一時的に緩和するための対症療法としては、抗うつ剤などの薬物治療が挙げられます。文字通り対症療法ですので根本治療には結びつきませんが、症状が発症した際の当面の症状緩和のためには効果があり、発症初期は対症療法と根本治療を併用するケースが少なくありません。