適応障害と上手に生きていく|安定した心をコントロール

心の症状に正しい理解を

自己中心的と誤解されがち

病院

職場での人間関係や、仕事が忙しすぎるというストレス、また家族との関係がうまくいっていないことによるストレスなどは、現在非常に多くの人々が抱えているものです。しかしそのようなストレスに度々さらされていると、精神面での抵抗力が弱まって対応できなくなることがあります。こうした状態が病的なものにまで発展すると、適応障害と呼ばれるものになります。ストレス自体は誰でも感じているものであり、適応障害の患者自身も、はじめは他の人と同じようにストレスに対処できていたというケースがほとんどです。ここで問題となるのは、その人が直面しているストレスが、その人にとっては耐えがたいほど重大な存在となっていることなのです。そのことを示すものとして、適応障害を患っている人が、他の人が辛抱できないと思うようなストレスを乗り越えていくという場面も実際にみられます。適応障害の人は、自分の得意とする分野や好きなことに関してならば積極的に取り組むことができます。しかし職場などでは、周囲の人も皆それぞれにストレスを抱えていることが多いため、一人だけ甘えているとかわがままだというように誤解されることがあります。理解してくれる人がいなければ周囲から孤立し、症状はさらに悪化してしまいます。適応障害はこうした状況から発生する病気であるために、現在多くの患者が苦しむ結果となっているのだと考えられます。

うつ病との違いを理解して

適応障害の患者は、このように自分の関心のあることになら意欲を持って行動することもできるので、自分に都合のいいように振る舞っている人と誤解されやすいものです。ときには、本当は病気じゃないのに、自分のやりたくないことを避けるために病気を偽っているのではないかと疑われる場合もあります。このような背景には、「病気というものは元気の反対だから、病気なのに元気なときがあるのはおかしい」という根強い認識があるとみられます。代表的な精神疾患のひとつであるうつ病の患者には、以前なら楽しめていたことも全く楽しめないという症状があるので、それと比べると適応障害は病気に見えにくいのです。このようにして生まれる誤解を解くためには、まず適応障害はうつ病とは全く別のタイプの病気だというように認識を改める必要があります。どちらかというと恐怖性不安障害と認識する方が、本人にとっても周囲の人々にとっても対応がしやすくなり、患者の症状が悪化するのを防ぐことも可能になります。適応障害の患者は早めに精神科や心療内科を受診して適切な治療を受ければ、十分な回復が見込めます。しかし、対応が不適切だとさらにうつ病や問題行動へと発展することもあるので、注意する必要があります。